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会長挨拶

愛知教育大学教授 合屋十四秋

愛知教育大学教授 合屋十四秋

Bridge the Gap

本学会が発足してすでに10年以上が過ぎました.われわれは水泳水中運動の研究成果をいかに実践現場にフィードバックさせるかを命題として年次大会を開催してきました. プールサイドデモンストレーションでは最新のトピックスや研究成果を公開してきました. 学会誌として「水泳水中運動科学」も第13巻まで発行し,近年では電子ジャーナルとして研究成果の迅速な審査および公開を諮っています. また,新進気鋭の若手研究者の活躍の場として,さらに国際的視野からの研究・実践活動を推進するためのシンポジュームや特別講演も行ってきました. その延長線上には,日本の水泳界が金メダルを目指すための科学的サポートおよび教育現場, 発育発達,生涯スポーツ,高年,老人などにフィードバックできるような研究テーマが網羅されております. これからは,中長期的展望を持って10年単位での学会の活性化,実践や現場へのフィードバックとともに, 広く一般への啓蒙を図っていく必要があるのではないかと感じています. Bridge the Gap,この言葉は内外を問わず,常に話題に上がっては消え, 何度も行ったり来たりするキーワードです. 学会員および一般参加される方々のアイデア,研究成果および実践活動がこの命題を解決してくれることを切に願っております.


水泳と私

1964年,東京オリンピックの水球のゲームを見たさに高校の授業をサボってテレビ観戦. あとで教頭に大目玉を食らったのが鮮明な記憶として残っています. 高校時代は水球一筋に、東京教育大学時代は水球と競泳の掛け持ちの選手として過ごしてきました. 大学院時代は勉学とコーチング,水泳研究会では内外の研究動向を学び,初めての海外旅行でヨーロッパの水泳事情視察に行きました. 1974年,ウィーンでのヨーロッパ選手権で競泳,水球,シンクロ(エキジビション)を観戦し, 目の前での世界 新記録や,オリンピックトップレベルの水球に8mmカメラを回しながら大感激したのを覚えています. 我が人生の中での最大のカルチャーショックでした.まさに本物を目の前で見ることの大切さを学ぶことができました. このツアーでは第2回国際水泳バイオメカニクス学会(ベルギー:ブリュッセル)にも参加し, 世界の水泳研究や実践活動を肌で感じ取ることができました. 東西ドイツ,ハンガリー,オーストリー,ベルギーの水泳施設・設備やその指導コンセプトを通して,水泳・水中運動がスポーツ文化として幅広い年齢層をカバーし, 生活の一部として位置づけられていることを実感した次第です.今現在までの私の水泳に対する考え方を支えている大きな出来事でした.


略歴

1972年 東京教育大学体育学部体育学科卒業

1976年 東京教育大学大学院体育学研究科修士課程修了

1976年 愛知教育大教育学部 助手

1982年 愛知教育大教育学部 助教授

1993年8月〜1994年6月
文部省在外研究員としてアメリカ合衆国コロラド州コロラドスプリングス International Center for Aquatic Research に赴任

1994年 愛知教育大教育学部 教授

2009年 学位 (博士,教育学) 取得 広島大学教育学部教育学研究科

現在の研究テーマ:
「果たしてスポーツ場面における感覚情報は数量化できるのだろうか?」 をバイオメカニクス的および体育方法学的アプローチによって解明すること. 具体的には,水泳の基本動作「けのび」の巧拙と運動感覚情報(感覚的気づき,または動作認識) の数量化を横断的かつ縦断的に検討している.